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運動でコレステロールを下げるために意識すべき生活習慣と注意点

  • コレステロールを下げる

コレステロールを下げるには、有酸素運動の継続が欠かせません。 しかし、ただ動くだけでは十分な効果が得られないこともあります。 実は、運動前後のストレッチや、食事・体調管理の仕方次第で、結果が大きく変わるのです。

特に、脂質異常症の改善を目的とする場合は、「安全に」「効果的に」続けるための工夫が重要です。 運動の強度や頻度を誤ると、体に過剰な負担をかけてしまうこともあります。

この記事では、コレステロール値を下げる運動の効果を高めるための4つのポイントを詳しく解説。 ストレッチ、食事、体調チェックなど、今日から実践できる工夫を紹介します。

コレステロール値を下げるために運動する際のポイント

「効果的に運動するためのポイントを知りたいな」 運動を始めようと思っても、このように気になる方もいらっしゃるかもしれません。 せっかく運動するなら、効果を高めるためのポイントを知っておきたいですね。

そこで、運動する際に気を付けておきたいポイントをお伝えします。

ポイント1 自分にできることから始める

お風呂場の画像

「これまで運動する習慣がなかったから、急に毎日運動をするのは無理かも……」 このように不安に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

確かに、脂質異常症改善のためには通常速度でのウォーキングなど、中強度(ややきついと感じられる程度)以上に該当する有酸素運動が推奨されています。

しかし体力のない方や持病のある方にとっては、急な運動も体の負担となることが考えられます。 これまでほとんど体を動かす機会がなかったという方は掃除や洗車をしたり、自転車で買い物に行ったり、子どもと遊んだりといった活動を通じ、生活のなかで身体活動量を増やすことから始めるのが良いでしょう。

ポイント2 ストレッチを行う

ストレッチする人

運動の前後にはストレッチを行うことがおすすめです。 ストレッチは筋肉や関節を伸ばす運動であり、けがの予防をしたり疲労回復のサポートをしたりする効果が期待できるので、運動とセットで行うようにしましょう。

また、ストレッチは場面によって「動的ストレッチ」と「静的ストレッチ」に分けられます。 動的ストレッチは関節を動かしながら筋肉を伸ばしたり縮めたりすることを繰り返すストレッチで、運動前に適しています。 静的ストレッチはゆっくりと一定方向に筋肉を伸ばした状態のまましばらく静止するストレッチで、運動後に適しています。

以下のポイントを意識しながら、場面に合わせたストレッチを行うと良いでしょう。

【ストレッチのポイント】

  1. 20秒以上かけて伸ばす[1]
  2. 伸ばす部位を意識する
  3. 痛くなく気持ち良い程度に伸ばす
  4. 呼吸を止めない
  5. 主に動かす部位を選択する

[1] 厚生労働省 e-ヘルスネット「ストレッチングの実際」

ポイント3 食生活を改善する

魚メインの和食

脂質異常症改善のためには、食生活の改善も重要だといえるでしょう。 摂取カロリーを適正にし、肉の脂身などに多く含まれる飽和脂肪酸の摂取量を減らしたり、食物繊維を摂ったりといった工夫が必要です。 飽和脂肪酸や、バターなどに含まれる「トランス脂肪酸」の摂取はLDLコレステロールを増やすため、避けることが勧められます。

一方、脂質のなかでも青魚などに含まれる「n-3系多価不飽和脂肪酸」はHDLコレステロールを増やす効果があるといわれています。 肉を食べがちだという方は脂身を除いたり、主菜に魚を食べる機会を増やしたりするのが良いでしょう。

また卵や内臓類など、コレステロールを含む食品をなるべく避けることも有効である可能性があります。

ポイント4 持病がないかの確認をする

診察をする医師

運動を始める前に持病がないかの確認をするようにしましょう

狭心症や心筋梗塞などの疾患があると、運動によって体にかかる負担が大きくなる可能性があります。 そのため、事前にかかりつけ医に相談したりメディカルチェックを受けたりすることがおすすめです。

メディカルチェックとは
病院やクリニックで行う医学的な検査のことをいいます。 診察、血圧測定、血液検査、身体計測、心電図などの種類があり、これらの検査結果をもとに日常生活や運動時に注意すべき点を明らかにしていきます。

自分の体の状態を把握した上で、内容や量を決めると良いでしょう。

コレステロール値を下げる運動についてのまとめ

コレステロールは脂質の一種です。 本来は体に必要な物質ですが、血中に溶け込んでいるLDLコレステロール(悪玉コレステロール)とHDLコレステロール(善玉コレステロール)が基準値から外れた状態は脂質異常症といい、放置していると動脈硬化につながる恐れがあります。

コレステロール値を改善するためには、有酸素運動を中心とした種目を継続的に行うことが大切です。 どうしても運動が難しい場合は、歩く距離を長くすることや掃除などの家事を積極的に行うことなど生活の中で活動量を増やすことから始めると良いでしょう。

また、コレステロール値の改善には運動だけではなく食事も重要であるため、食事の見直しも併せて行うことがおすすめです。 自分に合った運動を取り入れて、コレステロール値をコントロールしていきましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。 コレステロールを下げるには「続けられる運動」と「正しい生活習慣」の両立が大切です。 頑張りすぎて体を壊してしまっては意味がありません。まずは「できることから」始め、少しずつステップアップしていきましょう。

【改善のポイント】
① 自分に合った運動から始める
  掃除や自転車などでもOK。無理せず継続
② ストレッチを習慣化する
  ケガ予防・疲労回復に有効
③ 食事改善も並行する
  飽和脂肪酸を減らし、魚・食物繊維を増やす
④ 医師のチェックを受ける
  安全に続けるためのメディカルチェック

日々のちょっとした努力が、血管の健康や生活習慣病の予防につながります。 無理のないペースで取り組みながら、コレステロール値をコントロールしていきましょう。

Q&A

Qコレステロールを下げるには運動は何から始めればいい?
A掃除や自転車での買い物など、生活内の活動量アップから。体力や持病に合わせて段階的に増やします。
Qコレステロールを下げるには食事面で意識することは?
A飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を減らし、n-3系脂肪酸や食物繊維を増やします。主菜に魚を取り入れるのが有効です。
Q運動を続けるコツは?
A自分に合う強度で無理をしないこと。ストレッチ・食事改善・定期受診をセットで習慣化すると効果が高まります。

コレステロールを下げるための3ステップ

  1. STEP 1STEP 1まずはコレステロールについて知る
  2. STEP 2STEP 2コレステロールが体にもたらす影響
  3. STEP 3STEP 3あなたに合う方法を選ぶ