血糖値スパイクを防ぎ血糖値を安定させるポイント
ポイント1 炭水化物(糖質)を摂り過ぎない
血糖値スパイクを防ぐには、炭水化物(糖質)を摂り過ぎないことが肝心です。
ラーメンとチャーハンを同時に食べるなど、炭水化物の大量摂取は血糖値の急上昇を招く恐れがあるので避けるようにしましょう。
とはいえ、炭水化物は体に必要なエネルギー源の一つでもあるため、極端な制限もまた禁物です。
厚生労働省は炭水化物の目標量を、炭水化物から摂取するエネルギー量(カロリー)が1日に摂取するエネルギーに対して占める割合の形で設定しています(単位:%エネルギー)。
炭水化物の目標量は全年代で50〜65%エネルギーです[1]。
これを目安に、適切な量の炭水化物を摂取するよう心掛けましょう。
ただし、この目標量は1日のエネルギー摂取量(摂取カロリー)が適切であることが前提となっているので、エネルギー(カロリー)を過剰に摂取しないことも重要です。
カロリーについては以下の記事で詳しく解説しています。
カロリーとは?体重との関係や摂取カロリーの目安、栄養について解説
なお、炭水化物はエネルギーになる糖質と、ヒトの消化酵素では消化できない食物繊維に分けられます。
炭水化物は1g当たり4kcalのエネルギーを生み出します[1]。
例えば1日のエネルギー摂取量が2,000kcalの場合、その50〜65%に当たる1,000〜1,300kcalを炭水化物から摂取するべきだということですね。
これを1g当たり4kcalで重量に換算すると、250〜325gの炭水化物が適量であるということになります。
炭水化物(糖質)はご飯やパン、うどん、パスタといった主食類や、じゃがいもやさつまいもなどのいも類、砂糖やはちみつなどの糖類、果物類などに多く含まれています。
これらの食品の食べ過ぎに注意しましょう。
また飲み物にも注意が必要です。
コーラやサイダーなどの甘い炭酸飲料や果物などのジュース、加糖された缶コーヒーや紅茶飲料はできるだけ避けましょう。
これらは糖質を多く含む上、液体は固形物よりも吸収が早いので血糖値の上昇につながりやすいといわれています。
[1] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
ポイント2 低GI食品を選ぶ
血糖値の上昇を防ぐには低GI食品を選ぶことも有効です。
同じ量の糖質を含んでいても、食物繊維やたんぱく質、脂質などの他の栄養素を多く含む食べ物の方が体内で緩やかに吸収されるため、血糖値を上昇させにくく、したがってGIは低くなります。
GIが低い食べ物はインスリンの過剰分泌を起こしにくいといわれています。
一般的にGI値が55以下の食品は低GI、56〜69の食品は中GI、70以上の食品は高GIに分類されます[3]。
血糖値が上がりやすい高GI食品には炭水化物(糖質)を多く含み、食物繊維をあまり含まないご飯やパン、果物、砂糖などが挙げられます。
例えば、ある論文によれば精白米のGIは77で高GI食品に当たりますが、玄米は55で、低GI食品です[4]。
また、そばやうどんのGIは47、スパゲッティのGIも46で低GI食品に該当します[4]。
ただし、血糖値の上昇度合いは食べ合わせを工夫することで抑えられるため、絶対的な数値ではないことに注意が必要です。
また低GIであることはいわゆる低糖質や低カロリーを意味しないことも理解しておいてくださいね。
[2] 一般財団法人 食品分析開発センター SUNATEC省「グライセミックインデックス(GI)の有用性と問題点」
[3] 山梨県厚生連「「食品のGI値」を活用し、健康な体をつくりましょう!」
[4] Murakami Kentaro, Sasaki Satoshi, Takahashi Yoshiko, Okubo Hitomi, Hosoi Yoko, Horiguchi Hyogo, Oguma Etsuko, Kayama Fujio「Dietary glycemic index and load in relation to metabolic risk factors in Japanese female farmers with traditional dietary habits」(『The American Journal of Clinical Nutrition』Volume83, Issue5, p1161-1169, 2006)」
ポイント3 食物繊維を十分に摂取する
食物繊維を十分に摂取することも、血糖値スパイクを予防して血糖値を安定させるためには効果的です。
食物繊維は炭水化物の一種ですが、ヒトの消化酵素では消化できないため、血糖値を上昇させにくい栄養素です。
また糖を吸着して体外に排出するはたらきや、同時に摂取した糖質による血糖値の上昇を緩やかにするはたらきがあるといわれています。
このため、高血糖の予防・改善に効果が期待されているのです。
また脂質を体外に排出するはたらきもあるため、肥満の予防・改善にも効果が期待できます。
このように健康に有用な食物繊維ですが、日本人の食物繊維摂取量は理想に程遠いのが現状です。
厚生労働省は成人の理想的な食物繊維摂取量を1日当たり25g以上としていますが、実現可能性が低いため、摂取実態を鑑みて以下のような目標量を設定しています[5]。
成人男性の食物繊維目標量は18〜29歳で20g以上、30〜64歳で22g以上、65〜74歳で21g以上、75歳以上で20g以上です[5]。
また成人女性の目標量は18〜74歳で18g以上、75歳以上で17g以上です[5]。
食物繊維は肉や魚などの動物性食品にはほとんど含まれておらず、おおむね植物性食品からしか摂取することができません。
野菜や豆、きのこ、海藻などを積極的に摂取しましょう。
特にブロッコリー、ごぼう、モロヘイヤ、納豆、しいたけ、ひじきなどの食品は1食当たりの摂取量に2〜3gの食物繊維が含まれているといわれています[6]。
また主食を白ご飯やパンから玄米ご飯や麦ご飯、胚芽米ご飯、全粒粉パンなどに置き換えることも食物繊維摂取量を増やす助けとなります。
これらの食品を食事に取り入れるよう心掛けてくださいね。
[5] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
[6] 厚生労働省 健康づくりサポートネット「食物繊維の必要性と健康」
ポイント4 食べる順番を工夫する
食事の際、食べる順番を工夫することも血糖値スパイクの予防には有効だと考えられています。
糖質の多い主食などから食べ始めると、血糖値が急上昇してしまいます。
一方で食物繊維やたんぱく質、脂質などを含むおかずから食べ始めれば、糖質の吸収が緩やかになり、血糖値の急上昇を防ぐことができるといわれているのです。
食べる順番を工夫することで、GIの低い食品を選んだときのような効果が期待できるといえるでしょう。
また、食事を抜くことも血糖値の急上昇を招くので朝食などを抜かないように注意してくださいね。
ポイント5 よく噛んでゆっくり食べる
食べ物をよく噛んでゆっくり食べることも血糖値スパイクの予防につながるといわれています。
早食いをすると血糖値の上昇にインスリンの分泌が追いつかず、血糖値の急上昇を招いてしまいます。
また、食事で血糖値が上昇すると脳の満腹中枢が刺激されて満腹感を覚えますが、早食いでは満腹中枢が刺激される前に食べ過ぎてしまう恐れもあります。
時間をかけて食事を楽しむことを心掛けましょう。
ポイント6 食後に適度な運動を行う
食後の運動も血糖値スパイクを防ぐのに効果的だといわれています。
これは筋肉を動かすことで筋肉に糖の消費を促し、インスリンの分泌を節約することができるためです。
食後に体を動かすのはつらいのでは、と不安に思った方もいらっしゃるかもしれませんが、軽く歩いたり、階段を上り下りしたりといった程度の運動でも効果が期待できます。
また、習慣的な有酸素運動は血糖値の改善に効果的だともいわれていますよ。