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中性脂肪値を下げるための食事のポイント

ポイント1 エネルギー摂取量を適切に制限する

中性脂肪値を下げたい方は、まずはエネルギー摂取量(摂取カロリー)を適切に制限しましょう

中性脂肪値上昇の原因には、エネルギー(カロリー)の摂り過ぎがあるといわれています。

ヒトの体は食品に含まれる炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質をエネルギー源としていますが、これらから摂取したエネルギーを消費し切れなかった場合、脂肪として体内に蓄えられてしまうのです。

エネルギー摂取量(摂取カロリー)がエネルギー消費量(消費カロリー)を上回ってしまわないよう、推定エネルギー必要量(推定必要カロリー)を把握してエネルギー摂取量をその範囲に収める工夫をしましょう。

推定エネルギー必要量の設定には、以下のような身体活動レベルを用います。

【身体活動レベル】
身体活動レベル 日常生活の内容
低い 生活の大部分を座って過ごし、あまり動く機会がない場合
普通 座って過ごすことが多いが、立ったり歩いたりする機会や接客の機会がある場合、通勤や買い物で歩いたり家事をしたりする場合、軽いスポーツを行う場合
高い 立ったり歩いたりすることの多い仕事に就いている場合、余暇に活発に体を動かす習慣がある場合

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成

ご自身の身体活動レベルが確認できたら、以下の表でご自身に該当する推定エネルギー必要量を確認しましょう。

【推定エネルギー必要量(kcal/日)】
※横にスクロールできます
性別 男性 女性
身体活動レベル 低い 普通 高い 低い 普通 高い
18〜29歳
2,250
2,600
3,000
1,700
1,950
2,250
30〜49歳
2,350
2,750
3,150
1,750
2,050
2,350
50〜64歳
2,250
2,650
3,000
1,700
1,950
2,250
65〜74歳
2,100
2,350
2,650
1,650
1,850
2,050
75歳以上
1,850
2,250
-
1,450
1,750
-

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成

これを参考に、日々のエネルギー摂取量を調節してみてくださいね。

ただしエネルギー消費量は体格によって異なり、前掲の推定エネルギー必要量は日本人として平均的な体格を持った人を想定して設定されたものです。

平均的な体格より大柄な人はこれよりも多く、小柄な人はこれよりも少なくなることが想定されます。

またエネルギー消費量には個人差もあるといわれているので、エネルギー摂取量は実際の体重変化も見ながら調節しましょう

メモ
身体活動レベルが「低い」に該当する場合、健康の保持・増進の観点からは体を動かす機会を増やすことが勧められます。

ポイント2 エネルギー産生栄養素バランスを整える

エネルギー源となる栄養素をバランス良く摂取することも中性脂肪値の改善には重要だと考えられるでしょう。

甘いものや脂っこいものの摂り過ぎは中性脂肪値上昇の原因になるといわれています。

ヒトの体に必要な栄養素のうち、エネルギー源となる炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質の3種類の栄養素を「エネルギー産生栄養素」といいます。

甘いものは糖質の過剰摂取、脂っこいものは脂質の過剰摂取につながる恐れがあります。

メモ
炭水化物はエネルギー源となる糖質と、ヒトの消化酵素では消化できない食物繊維に分けられます。栄養学的に炭水化物の最も重要な役割はエネルギーを補給することであり、炭水化物のエネルギーはほとんどが糖質に由来します。このため、糖質の適切な摂取量は炭水化物の目標量から判断できます。

エネルギー産生栄養素はそれぞれに欠かせないものでもあるので、単にエネルギー摂取量を制限するだけでなく、バランスの良い摂取を心掛けましょう。

厚生労働省はエネルギー産生栄養素の目標量を、1日に摂取するエネルギーに対し、各エネルギー産生栄養素から摂取するエネルギーが占める割合で設定しています(単位:%エネルギー)。

炭水化物の目標量は男女共に全年代で50〜65%エネルギー、同じく脂質の目標量は20〜30%エネルギーです[1]。

またたんぱく質の目標量は年代によってやや異なり、18〜49歳では13〜20%エネルギー、50〜64歳では14〜20%エネルギー、65歳以上では15〜20%エネルギーです[1]。

ただし、このエネルギー産生栄養素バランスはエネルギー摂取量が適正であることが前提となっている点に注意してくださいね。

なお、炭水化物(糖質)とたんぱく質は1g当たり4kcal、脂質は1g当たり9kcalです[1]。

重量に換算したい場合はこの値を使って計算してみましょう。

[1] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)

ポイント3 n-3系脂肪酸を適切に摂取する

中性脂肪は体内で合成が可能であり、脂質の摂り過ぎには注意が必要です。

しかし一口に脂質といっても種類によって体内でのはたらきは異なります。

体内で合成できないため食事から摂取しなければならない「必須脂肪酸」に含まれる「n-3系脂肪酸」には、中性脂肪値を下げるはたらきがあるといわれているのです。

n-3系脂肪酸には、α-リノレン酸、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)があります。 α-リノレン酸はあまに油などの植物性油に、DHAとEPAはさばやいわしなどの背の青い魚や、まぐろ、サーモンなどに多く含まれています。

脂質は種類を問わず高カロリーなので摂取量には注意が必要ですが、揚げ物や脂身の多い肉を控え、魚を食べるといったふうに、脂質を適度に制限しながらn-3系脂肪酸を摂取することを意識してみましょう。

ポイント4 食物繊維を十分に摂取する

中性脂肪を含む血中脂質の改善には食物繊維を十分に摂取することも有効だと考えられます。

食物繊維は炭水化物の一種ですが、ヒトの消化酵素では消化できないため、エネルギー源としての役割はほとんど果たしません。

半面、消化・吸収されずに大腸に達して便通を整える他、脂質や糖を吸着して体外に排出する作用があることが分かっています。

このため脂質異常症や肥満の予防・改善に有効だといわれているのです。

また食物繊維は満腹感をもたらすともいわれており、食べ過ぎを防ぐ上でも有用です。

食物繊維はおおむね植物性食品からしか摂取できません。

成人の理想的な食物繊維摂取量は1日当たり25g以上だといわれていますが、日本人の食物繊維摂取量はこの目標に遠く及びません[2]。

このため厚生労働省は実現可能性を考慮した目標量を設定しています。

成人男性の目標量は18〜29歳で20g以上、30〜64歳で22g以上、65〜74歳で21g以上、75歳以上で20g以上です[2]。

また成人女性の目標量は18〜74歳で18g以上、75歳以上で17g以上です[2]。

まずはこの数値を目標に食物繊維の摂取量を増やすことを心掛けましょう。

ブロッコリーやごぼう、モロヘイヤ、切り干し大根、納豆、おから、ひじき、しいたけなどは1食当たりの摂取量に2〜3gの食物繊維が含まれているので、こうした食材を食事に加えてみましょう[3]。

また主食をそばや玄米ご飯、麦ご飯、全粒粉パン、ライ麦パンなどにしても食物繊維摂取量を増やせますよ。

[2] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)

[3] 厚生労働省 健康づくりサポートネット「食物繊維の必要性と健康

ポイント5 アルコールを控える

アルコールを控えることも中性脂肪値の改善には重要だといえるでしょう。

アルコールは中性脂肪値上昇の要因になるだけでなく、動脈硬化によって起こる病気のリスクも高めます。

またアルコールは体に必要な栄養素(必須栄養素)ではありませんが、1g当たり7kcalで、高エネルギー物質であるといえます[4]。

エネルギー摂取量を適切に制限する上でもお酒の飲み過ぎには注意が必要だといえるでしょう。

量や飲み方に注意し、できるだけお酒を減らすよう心掛けましょう。