骨密度とは?骨の健康を保つポイントや骨粗しょう症について解説
「骨密度ってなんだろう?」
「骨密度と骨粗しょう症は関係があるのかな……」
骨密度とは具体的に何のことか、骨の健康にどんな影響があるのか分からない方もいらっしゃるでしょう。
骨密度とは、骨の構成に欠かせないカルシウムをはじめとしたミネラルの詰まり具合のことです。
骨密度が低下すると骨はもろくなり、骨粗しょう症や骨折につながる恐れがあります。
骨折は日常生活に支障を来し、年齢によっては認知症を招くかもしれません。
この記事では骨密度の定義や測定方法、骨の健康に良い食事や運動をご紹介します。
ぜひ参考にしていただき、骨の健康を保ちましょう。
1.骨密度とは
骨密度とは、骨を構成しているカルシウムといったミネラルの詰まり具合のことです。
骨の単位面積(1平方センチメートル)当たりに含まれている骨塩量(g)から算出できます。
この数値が「YAM」という値と比べて何%あるかによって、骨密度の高低を知ることができます。
次の章では骨密度の低下と骨粗しょう症の関係について詳しく解説します。
[1] 国立研究開発法人 国立循環器病研究センター「栄養に関する基礎知識」
[2] 日本骨代謝学会「原発性骨粗鬆症の診断基準」
2.骨密度の低下と骨粗しょう症の関係
「骨密度はどうして低下してしまうのかな?」
「骨粗しょう症の原因は何だろう……」
ヒトの体を支える硬い骨がなぜもろくなってしまうのか、気になりますよね。
骨は、骨芽細胞が新しい骨を作る骨形成というはたらきと、破骨細胞が古い骨を溶かす骨吸収というはたらきを繰り返すことで絶えず生まれ変わっています。
このバランスが崩れ、骨吸収が骨形成を上回ると骨は次第に弱くなり、骨密度が低下します。
骨密度は男女ともに20歳ごろにピークを迎え、40代半ばまではほぼ横ばいで保たれます[3]。
その後加齢によって低下し始め、特に女性は閉経に伴って急激に低下します。
骨密度の低下によって骨の中がスカスカになり、骨折しやすくなった状態が骨粗しょう症です。
骨粗しょう症の主な原因は閉経による「エストロゲン」の減少や加齢です。
またカルシウムなどの栄養素の不足、運動不足や飲酒・喫煙なども原因となります。
骨粗しょう症については以下の記事で解説しています。
[3] 公益財団法人骨粗鬆症財団「どんな病気」
3.骨密度の測定方法
「骨密度を測る方法は、何があるのかな?」
「自分に合う骨密度の検査方法はどれだろう」
骨密度の測定方法には何があるのか気になったり、ご自身に適している検査方法はどれなのか疑問に感じたりする方もいらっしゃるでしょう。
この章では、骨密度の主な測定方法について解説します。
3-1.QUS法
「QUS法(定量的超音波測定法)」は超音波によって骨密度を評価する方法で、「超音波法」とも呼ばれます。
測定器に足を入れ、かかとの骨への超音波の伝わり方や弱まり方から、骨折リスクを予測できます。
ただし、かかとの骨のみでは全身の骨の状態を評価することが難しいため、骨粗しょう症の確定診断や治療効果の判定には用いられません。
一方でX線による被ばくがないことから検診などでも広く用いられており、妊娠中の方でも測定できるというメリットがあります。
3-2.DXA法
「DXA法(2重エックス線吸収法)」は2種類のX線を骨に当てて骨密度を測定する方法です。
大型の装置を用い、骨粗しょう症による骨折が多い背骨や足のつけ根などの複数の部分を調べます。
DXA法は正確性が高く骨粗しょう症の診断にも用いられる検査方法で、現在は多くの医療施設で採用されています。
なおX線を当てるといってもごくわずかな放射線量であるため、被ばくによる身体的な影響の心配はいりません。
3-3.MD法
「MD法(Microdensitometry法)」はX線を用いて測定する簡易的な方法です。
手のひらをX線で撮影し、人差し指の骨とアルミニウムの濃度を比較するだけで骨密度の測定が可能です。
DXA装置がない診療所でも実施できる他、短時間で測定できるというメリットがあります。
ただし初期の骨密度の低下は反映されにくいという指摘もあります。
4.骨の健康を保つためのポイント
「骨の健康を保つためには、どんなことをすれば良いのかな?」
「日常生活に取り入れられる方法を知りたいな」
骨の健康を保つためには、必要な栄養素を摂取したり運動を習慣付けたりする必要があります。
この章では、骨の健康を保つために必要なポイントについて解説します。
ポイント1 骨の健康を保つ栄養素を十分に摂取する
骨の健康を保つためにはバランスの良い食事が大切で、特に以下の栄養素の摂取がポイントです。
【骨の健康を保つ主な栄養素】
- カルシウム
- ビタミンD
- ビタミンK
カルシウムは骨の主成分で、骨に吸収されることで新しい骨が作られます。
カルシウムを豊富に含む主な食材は、牛乳やチーズといった乳製品、小松菜、ひじき、豆腐などです。
なかでも牛乳や乳製品は、カルシウムの含有量のみでなく体内への吸収率も高いため、骨の健康を保つ上で優秀な食品といえます。
また、ビタミンDには小腸におけるカルシウムの吸収を促すはたらきがあり、鮭やしいたけ、卵黄などに多く含まれています。
ビタミンKには骨へのカルシウムの取り込みをサポートするはたらきがあり、納豆やキャベツ、小松菜に多く含まれています。
カルシウムとともに、ビタミンDやビタミンKも意識的に摂取しましょう。
骨の健康を保つ栄養素については以下の記事でも解説しています。
骨粗しょう症を予防するには?積極的に摂るべき栄養素や運動法を紹介
ポイント2 適度に日光を浴びる
骨の健康を保つためには、適度に日光を浴びることが大切です。
カルシウムの吸収を促すビタミンDは、日光に当たることでも産生されるため、骨密度低下の防止が期待できます。
平均的な食事を摂取している方であれば、両手の甲ほどの面積が1日に15分から30分ほどの日光を浴びるだけで十分な量のビタミンDが生成されます[4]。
長時間にわたって日光に当たることは推奨されていないため、日焼け止めや紫外線を遮る衣類を活用しましょう。
[4] 環境省「紫外線環境保健マニュアル2008」
ポイント3 適度に運動を行う
骨の健康を維持するためには、適度に運動しましょう。
骨は縦方向に物理的な刺激が加わると、ごくわずかな電流が流れて強度が増します。
縦方向の刺激とはジョギングやダンス、ジャンプのような運動で、骨にある程度の負荷がかかる運動をいいます。
どの運動を行う際にも、けがをしてしまっては意味がありません。
スポーツが苦手な方や運動経験が少ない方は、まず散歩やウォーキングから始めると良いでしょう。
骨折の経験や腰痛などの関節痛がある場合は、整形外科医に相談してから実施してくださいね。
ポイント4 アルコールの過剰摂取を避ける
骨の健康のために、アルコールの過剰摂取は控えましょう。
アルコールを過剰摂取するとカルシウムの吸収が抑制されると同時に尿への排せつが増え、骨粗しょう症のリスクが高まるといわれています。
お酒の飲み過ぎが健康を害することはよく知られていますが、骨の健康にも関わるのですね。
ポイント5 禁煙する
骨の健康を保つためには、禁煙が重要です。
たばこを吸うと胃や腸のはたらきが悪くなり、カルシウムの吸収率が下がることが分かっています。
また同時に尿中への排せつ促進も起こります。
特に女性の場合、喫煙により、骨密度を維持するはたらきを持つエストロゲンの分泌が抑制されてしまうため注意が必要です。
たばこは骨の健康だけでなく多くの悪影響があるため、早急な禁煙が必要とされるのですね。
5.骨の健康に不安がある場合は受診しよう
骨の健康に不安がある場合は受診しましょう。
骨粗しょう症は自覚しにくく、骨折して初めて判明する方もいます。
背中や腰の痛み、身長の縮みなど、加齢に伴うものだと思いがちな症状でも、骨粗しょう症のサインかもしれません。
骨粗しょう症のリスクが高い中高年女性は、40歳から70歳まで5歳刻みで骨粗しょう症検診を受けることができます。
問診のほか、DXA法や超音波法などによる検査、そして結果に基づく指導が受けられます。
骨粗しょう症は弱い力でも簡単に骨折する状態で、特に高齢者が骨折すると回復までに時間がかかる、あるいは元の状態には戻れない場合もあります。
骨折により身体活動が制限されたり寝たきりになったりすると、認知症にもつながるかもしれません。
骨の健康に不安を感じる場合は、医療機関を受診しましょう。
6.骨密度についてのまとめ
骨密度とは、骨の主成分であるカルシウムといったミネラルの詰まり具合のことです。
骨密度は骨をつくるはたらきと分解するはたらきのバランスが均衡することで維持されています。
しかし加齢や閉経をはじめ、生活習慣や病気、薬の使用などによりこのバランスが崩れ、分解するはたらきが上回ると骨密度は次第に低下します。
骨密度が低下し、骨がスカスカで骨折しやすい状態を骨粗しょう症といいます。
骨粗しょう症は症状を自覚しにくく、気付かない間に進行している場合も少なくありません。
骨密度を調べる検査方法にはX線を使う精度の高いDXA法、X線を用いながらも簡易的に検査できるMD法、X線の代わりに超音波を用いるQUS法があります。
骨の健康を維持するためには、カルシウムやビタミンD、ビタミンKといった骨の強さを保つ栄養素を十分に摂取しましょう。
ほかにも、適度に日光浴したり運動習慣を取り入れたりすること、アルコールの過剰摂取や喫煙をやめることが大切です。
骨粗しょう症により骨折すると、高齢者の場合そのまま寝たきりの状態になったり認知症につながったりする恐れがあります。
骨粗しょう症検診などを利用し、日ごろから自身の骨の健康に目を向けてみましょう。