生理中に鉄欠乏性貧血になりやすい理由と症状
1.生理中に鉄欠乏性貧血になりやすい理由
生理(月経)中は鉄欠乏性貧血を起こしやすいことが知られています。
「鉄分」は栄養学的に正しくは「鉄」といいます。
鉄はミネラルの一種で、体内では主に血液に含まれる赤血球の中に存在する「ヘモグロビン」の材料となります。
ヘモグロビンは主に鉄を含む「ヘム」と、たんぱく質でできた「グロビン」で構成された物質です。
鉄で構成されたヘムには酸素と結び付きやすい性質があります。
この性質によって、ヘモグロビンは血液に乗って肺から全身の組織に酸素を運び、組織の二酸化炭素を肺へ戻す役割を担っています。
貧血はヘモグロビンが減少して全身が酸欠になり、さまざまな症状が現れる状態です。
鉄不足が原因のものを鉄欠乏性貧血と呼びます。
出血すると、それに伴って血に含まれる鉄が体外に流れ出てしまうため、鉄欠乏性貧血が起こるリスクが高まります。
女性では生理による鉄欠乏性貧血が特に多く見られるといわれています。
2.鉄欠乏性貧血の症状
「貧血にはどんな症状があるんだろう?」
「なんとなく具合が悪いのは貧血のせいなのかな」
このように気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
鉄欠乏性貧血に陥ると全身に十分な量の酸素を供給できなくなり、さまざまな症状が生じます。
鉄欠乏性貧血の症状には、倦怠感や目まい、立ちくらみ、頭痛、動悸(どうき)、耳鳴り、息切れなどがあります。
生理中にこのような症状に悩まされている場合には鉄不足による貧血の可能性があります。
貧血のときにはまぶたの裏側の粘膜の色が薄くなったり、顔色が悪くなったり、爪の色が白っぽくなったりするといわれているので、ご自身で確認してみると良いでしょう。
また貧血が悪化すると、舌炎や口角炎などのトラブルや、「さじ状爪」と呼ばれる爪の中央が凹んでスプーンのような形になる症状、失神などが見られる場合もあります。
鉄欠乏性貧血はゆっくりと進行するといわれており、急に重篤な症状が現れることはあまりないと考えられます。
これは体内の鉄は酸素運搬などのはたらきをする「機能鉄」と体内に蓄えられた「貯蔵鉄」に分けられ、数カ月分の貯蓄があるためです。
しかし鉄の摂取量が不足し続け、貯蔵鉄が減少していくと骨髄でつくられる赤血球の量が徐々に低下していき、貯蔵鉄が枯渇すると赤血球の量が減るだけでなく、サイズも小さくなってしまいます。
注意しておきたいのは、鉄欠乏性貧血が徐々に進行していると、症状を自覚しにくいということです。
なんとなく具合が悪いと感じているのを放置していると、重度の貧血に陥っていた、というケースもあり得ます。
日頃からしっかりと鉄を摂取し、貧血を予防しておくことが重要だといえるでしょう。