WELL PALETTE
おなかの張り(腹部膨満感)の原因は?のサムネイル

おなかの張り(腹部膨満感)の原因は?

原因1 食べ過ぎ・飲み過ぎ

食べ過ぎたり飲み過ぎたりして胃の中に多くの物が入ると、胃が膨らんでおなかの張りを感じることがあります

このとき、胃のはたらきは一時的に低下し、食べた物が胃に長時間とどまります。

また炭酸飲料を飲み過ぎると、胃にガスがたまり、げっぷが増えたり腹部膨張感が生じたりすることがあります。

原因2 空気の飲み過ぎ

ヒトは食べたり飲んだりする際に、少量の空気を自然に飲み込んでいます。

少量の空気なら問題はありませんが、早食いや液体をすするように飲む癖、緊張などにより大量の空気を飲み込んでしまうと、空気が胃や腸にたまり、おなかの張りを引き起こす場合があります

なお、日常的におなかの張りを感じる、げっぷやおならが多い、という場合には「呑気(どんき)症」の可能性があります。

呑気症とは、無意識に大量の空気を飲み込むことで食道や胃、腸に空気がたまりやすくなる状態をいいます。

げっぷやおならが増える他、腹部膨満感などの症状を引き起こす場合があります。

さらに、げっぷによって胃液や食べた物が食道に逆流することで、食道の炎症や痛みを生じる逆流性食道炎の発症を招く恐れもあるため放置しないように注意しましょう。

なおストレスも呑気症の原因の一つといわれています。

緊張や不安により、唾液と一緒に空気を飲み込みやすくなり、胃や腸にたまってげっぷやおならが出やすくなることがあるのです。

メモ
呑気症は、空気嚥下(えんげ)症ともいいます。

原因3 ガスを生じさせる食べ物の食べ過ぎ

ガスを生じさせる食べ物を食べ過ぎると、おなかが張ってしまうことがあります。

消化器で生じるガスの種類や量は、食べる物によって異なります。

例えば、肉類を過剰に食べた場合、小腸だけでは消化が追いつかず、残りが大腸に送られます。

そこでウェルシュ菌などの悪玉菌がたんぱく質を分解する際にガスを生み出すため、おなかの張りを引き起こします

肉類の他にもにんにくなどの食材は、強い臭いのガスを発生させる原因になるといわれています。

原因4 便秘

便秘により腸内に便が滞ることも、腹部膨満感の原因の一つです。

便秘とは排便回数が減ったり、排便が困難になったりする状態のことをいいます。

便秘になると、腸の動きが悪くなってガスが排出されにくくなったり、腸内の悪玉菌が増えてガスが多くつくられたりすることにより、おなかの張りを感じる場合があります。

メモ
ヒトの腸内には約1,000種類、100兆〜1,000兆個の腸内細菌が生息しているといわれています[1]。腸内細菌は、そのはたらきから、体に有用な善玉菌と増え過ぎると体に害を及ぼす悪玉菌、状況によって善玉菌の味方をすることも悪玉菌の味方をすることもある日和見菌の3種類に大別できます。

悪玉菌は動物性のたんぱく質を体内で利用できるように分解して便として排出する、生命活動に欠かせないものです。

一方で、増え過ぎると便秘や下痢を引き起こしたり、有害なガスを生み出したりするため注意が必要です。

必要以上に悪玉菌を増やさないように、高脂肪の食生活を避け、栄養バランスの取れた食事を心掛けましょう

[1]  公益財団法人 長寿科学振興財団 健康長寿ネット 「腸内細菌叢(腸内フローラ)とは

原因5 運動不足

運動不足も腹部膨満感の原因となります

長時間体を動かさない状態が続くと、腸のはたらきが鈍くなってガスがたまりやすくなるのです。

特にデスクワークが多く、座りっ放しの姿勢になりやすい方は注意が必要です。

軽いウォーキングや、おなか周りのストレッチをするなどして、ガスの排出を促すようにしましょう。

原因6 消化器系疾患・その他の病気

腹部膨満感は消化器系の疾患やその他の病気が原因で引き起こされる場合もあります

腹部膨満感と関連のある病気に、過敏性腸症候群(IBS)や機能性ディスペプシア、腸閉塞(へいそく)、大腸がんなどが挙げられます

過敏性腸症候群(IBS)とは、特に消化器に問題がないにもかかわらず、腹痛や便秘、下痢などを慢性的に繰り返す病気のことをいいます。

腸の動きが異常に盛んになり、刺激に対する反応が過敏になることで生じると考えられていて、主な原因にはストレスや不安、抑うつなどの心理的要因や、自律神経の不調があるといわれています。

機能性ディスペプシアは、内視鏡検査などの検査をしても胃に異常が見られないにもかかわらず、胃の痛みや胃もたれ、胸焼け、吐き気などが慢性的に続く病気です。

以前は神経性胃炎やストレス性胃炎などとも呼ばれており、原因はさまざまに考えられていますが、現在でも特定されていません。

腸閉塞とは、腹部の手術によって生じた瘢痕(はんこん)組織やヘルニア、腫瘍などによって、腸がふさがってしまった状態のことです。

メモ
瘢痕組織とは、結合組織や毛細血管によって手術の際の切開痕などの傷痕につくられる組織のことをいいます。周囲よりも硬かったり、盛り上がったりしているのが特徴で、通常は時間をかけて周りの組織になじんでいきますが、場合によっては改善しないことがあります。ヘルニアは何らかの原因で生じた体内の裂け目や穴を通じて臓器や組織が本来の位置からはみ出した状態を指します。

閉塞部分より手前の腸ははたらき続けるため、食べ物やガスなどが閉塞部で詰まり、腫れや炎症を起こします。

放置していると腸が破裂し、腸の内容物が漏れ出て炎症や感染症を引き起こす恐れがあります。

大腸がんとは、その名のとおり大腸に発生するがんのことをいいます。

初期には自覚症状はほとんどなく、進行すると便に血が混ざったり、便の表面に血液が付着したりします。

その他にも、女性では子宮筋腫や卵巣腫瘍などの婦人科系疾患でおなかが張ったように感じられるケースもあります

このような病気を発見・治療するため、腹部膨満感が長く続く場合にはできるだけ早期に医療機関に相談することが重要です。