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高血圧が招く病気と70代特有のリスクを詳しくわかりやすく解説

高血圧は自覚症状が乏しいまま進行し、脳や心臓に負担をかけます。70代では発症率が特に高く、血圧の変動や合併症リスクにも年齢特有の特徴があります。本稿では、高血圧の診断基準から、70代に多い影響・特徴までを整理します。この文章を読むと、リスクの全体像と注意すべきポイントを詳しく知ることができます。

血圧が正常値を上回った場合の影響

血圧測定器

「血圧が正常値よりも高い場合にはどんな影響が出るのかな?」 このような疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんね。 最高血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHg以上になると高血圧と診断されます[1]。

高血圧には肥満や運動不足といった生活習慣などが原因となる「本態性高血圧」と病気が原因とされる「二次性高血圧」がありますが、日本人の高血圧のほとんどが本態性高血圧といわれています。 高血圧患者は高齢になるにつれ増加する傾向にあり、厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査」によると70代では68.6%もの人が高血圧を発症していることが分かりました[2]。

高血圧は自覚症状がほとんど見られないものの、慢性化すると動脈硬化になり、狭心症や脳梗塞など命を脅かす病気を引き起こします。

また高齢者の高血圧には特有の特徴があります。

【高齢者の高血圧の特徴】

  • 最高血圧が高くなり、最低血圧との差が広がる傾向にある。
  • 一定の血液量を維持する機能が低下するため、脳への血流量が減少する。
  • 自律神経機能の低下や動脈硬化によって夜間の睡眠中にもかかわらず血圧が下がらない。
  • 糖尿病を併発することが多い。
  • 温度差や水分不足などによって脳卒中や心臓病を起こしやすい。

このような高齢者の高血圧の特徴を把握し、血圧を上手にコントロールすることができれば狭心症や脳梗塞などの予防につながるでしょう。

[1] 厚生労働省 e-ヘルスネット「高血圧」

[2] 厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査」

まとめ

いかがでしたでしょうか。70代の高血圧は、上の血圧が上がりやすい・夜間に下がりにくいなどの特徴があり、脳心血管イベントの引き金になります。

要点は以下の通りです。 ・診断基準:140/90以上 ・70代の発症率は約7割 ・動脈硬化や脳梗塞などのリスク増大