血圧の正常値とは?70代の平均値と年齢による違いを詳しく解説
血圧の「正常値」は年齢で変わらない一方、平均値は加齢の影響を受けがちです。特に70代では、成人全体と比べて数値が高くなる傾向があります。本稿では、診察室血圧と家庭血圧の基準、70代の平均値データを整理し、測定時に注意したいポイントも確認します。この文章では「正常値の基本」と「70代の平均値」を解説しています。
血圧の正常値とは?
血圧の正常値について紹介する前に、そもそも血圧とはどんなものなのかについて解説します。 血圧とは酸素や栄養素を送る役割を担う血液が、心臓から全身に送り出される際に血管の内壁を押す力のことです。
心臓は全身に血液を送り出す際に収縮と拡張を繰り返しているため、収縮時と拡張時とで血圧の値は変動します。 血液を送り出す際に心臓が収縮して血管に圧力がかかっている際の値を「上の血圧」、または「最高血圧(収縮期血圧)」と呼びます。 一方で次に送り出す血液をため込むために心臓が拡張している状態の値が「下の血圧」、「最低血圧(拡張期血圧)」です。
「70代の血圧の正常値がどれくらいなのか知りたい」 このように思っている方もいらっしゃるでしょう。
実は血圧の正常値は年齢に左右されることなく、統一された値が設定されています。
診察室血圧の場合、最高血圧120mmHg未満かつ最低血圧80mmHg未満が正常血圧とされます[1]。 診察室血圧とは文字どおり病院の診察室で測定した際の血圧のことです。
人によっては緊張して普段より高い数値が出る場合もあるでしょう。
診察室血圧に対して家庭で測定した血圧を家庭血圧、もしくは診察室外血圧と呼びます。 家庭血圧の場合は診察室血圧よりも5mmHg低い値が基準となり、最高血圧115mmHg未満かつ最低血圧75mmHg未満が正常血圧です[1]。
【診察室で計測した場合の成人の血圧値の分類(mmHg)】
| 分類 | 最高血圧 | 最低血圧 | |
|---|---|---|---|
| 正常血圧 | 120未満 | かつ | 80未満 |
| 正常高値血圧 | 120~129 | かつ | 80未満 |
| 高値血圧 | 130~139 | かつ/または | 80~89 |
| Ⅰ度高血圧 | 140~159 | かつ/または | 90~99 |
| Ⅱ度高血圧 | 160~179 | かつ/または | 100~109 |
| Ⅲ度高血圧 | 180以上 | かつ/または | 110以上 |
70代の血圧の平均値
「70代の血圧の平均値はどれくらいなのか知りたい」 自分の血圧が他の方と比べて高いのかあるいは低いのか把握するためにも、平均値を知っておきたいという方もいらっしゃるでしょう。 70歳以上の男性の血圧の平均値は最高血圧が133.9mmHg、最低血圧が74.5mmHg、女性の平均値は最高血圧が133.1mmHg、最低血圧が73.9mmHgです[2]。
一方で20歳以上の男性の最高血圧の平均値は129mmHg、最低血圧の平均値が76.7mmHg、同じく20歳以上の女性の最高血圧の平均値は122.7mmHg、最低血圧の平均値が72.8mmHgです[2]。 これらの値と比べてみると、70代の値が高い傾向にあることが分かりますね。
成人全体の値と比べてみると、70代の値が高い傾向にあることが分かりますね。 加齢に伴う血圧の上昇は血管の弾力性が失われ血流が悪くなることで起こるものや、飲酒や喫煙、肥満、塩分の多い食事など生活習慣によるものがあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。血圧の正常値は年代で変わりませんが、70代の平均値は成人全体より高い傾向が見られます。
要点は次の通りです。 ・診察室血圧の正常:120/80未満 ・家庭血圧の正常:115/75未満 ・70代の平均は成人平均より高め
これらを踏まえ、次は高血圧のリスクや影響を理解し、日々の管理に活かしていきましょう。