サイレントキラーに注意:高血圧と低血圧の症状・合併症を詳しく解説
血圧異常は「数値」そのものより、その先にあるリスクを理解することが本質です。高血圧は動脈硬化を進め、脳卒中や心臓病の引き金に。低血圧は命に直結しにくい一方、立ちくらみなど生活の質を下げる症状を招きます。本記事では原文どおりに、高血圧・低血圧の影響と妊娠高血圧症候群の注意点をまとめます。読み終える頃には、放置しない理由が腑に落ちます。
血圧が正常値から外れた場合の影響
「血圧が正常値から外れたらどんな影響があるんだろう?」 このように気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
高血圧を放置していると心臓病や脳卒中などの病気を発症するリスクがあります。 一方で低血圧は高血圧に比べると病気のリスクが少ないものの、目まいなどの症状が現れることがあります。
この記事では、高血圧・低血圧による体への影響について解説します。
高血圧による体への影響
高血圧は命に関わる重篤な病気の発症リスクを高めます。
高血圧の状態が長く続くと血管は常に張り詰めた状態になるため、次第に血管が厚く硬くなり本来の弾力性を失う「動脈硬化」という状態になります。
動脈硬化が進むと血管が詰まったり破れたりしやすくなるため、脳卒中や心臓病などを引き起こす可能性があります。
高血圧は自覚症状がほとんどないため、気付かないうちに動脈硬化が進行してさまざまな病気を引き起こしやすいとされます。 そのため、高血圧は別名「サイレントキラー」とも呼ばれています。 厚生労働省の「令和元年国民健康・栄養調査」によると日本人の高血圧の患者数は20歳以上の約半数であり、特に40代以上になると患者数が増えていきます[1]。
また、高血圧は妊娠中でも発症するリスクがあります。 妊娠時に高血圧を発症した場合を「妊娠高血圧症候群」といい、妊婦の10~20人に1人の割合で発症するといわれています[2]。 特に妊娠34週未満で発症すると重症化しやすく、母体の健康と胎児の発育に悪影響を及ぼします[2]。
妊娠高血圧症候群は予防法や治療法が確立されておらず、発症した場合は医師の指導を受けなければなりません。 30代の血圧の平均値が正常値に近いからといって安心せずに、血圧を測定することを習慣化し正常の範囲内を保つように心掛けましょう。
低血圧による体への影響
低血圧は高血圧に比べて深刻な病気のリスクが少ないため、低血圧の基準は明確に設定されておらず医師によっても意見が異なります。
ただし、一般的に収縮期血圧が100mmHg未満である状態のことを低血圧と定義しています[3]。 病気発症のリスクが少ないものの、血圧が低下すると臓器に送られる血液量が減少し臓器が機能障害に陥る場合もあるため注意が必要です。
臓器のなかでも脳は血圧が低下した際に最初に症状が現れます。 具体的には立ちくらみや目まいといった症状がよく見られます。 その他にも肩こり、食欲不振、頭痛などの症状が現れるともいわれています。
低血圧は特に若い女性に多い傾向にあり、朝に症状が強く現れ生活に支障を来すこともあります。 高血圧に比べると命に関わる病気の発症リスクはありませんが、症状がつらい場合には医療機関を受診しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。重要ポイントを整理します。
・高血圧は自覚症状が乏しく、動脈硬化→脳卒中・心臓病のリスクが上がる ・低血圧は命に直結しにくいが、立ちくらみ・頭痛などの症状でQOLを下げる ・妊娠中の高血圧は母体と胎児に影響。専門医の管理が必須
違和感があるときは測定と受診を。