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血圧が正常値を外れたら?受診の目安とセルフチェックのポイント

数値が気になったとき、受診のタイミングを迷わないことが重要です。ここでは、原文どおりに医師相談の目安を確認し、家庭血圧の継続測定や健康診断の活用の重要性を再確認します。最後に、連載全体の総まとめとして、正常値が年齢で変わらないこと、60代に多い収縮期高血圧の特徴、生活習慣での重点ポイントを整理。この文章を読むと、今後の行動の道筋を明確にできます。

血圧が正常値から外れたら医師に相談しよう

血圧が正常値から外れていることが分かったら、早めに医療機関を受診しましょう。 高血圧の場合は医師の判断で、降圧剤などによる服薬治療が必要になる場合があります。

高血圧は自覚症状がほとんどないため、自分で気付くことは困難です。 そのため、毎年健康診断を受けることが極めて重要です。

また家庭用血圧計を購入し、自宅で家庭血圧を日々測定することも高血圧予防には有効です。 普段から自分の血圧をしっかり把握し、高い数値が続いた場合には自己判断せず、医療機関を受診するようにしてください

低血圧の場合は、目まいや立ちくらみが転倒などの危険に直結します。 そのような症状が出た場合は早急に医療機関を受診し、改善を目指すようにしてください。

症状によっては昇圧剤などによる服薬治療が発生します。

60代の正常な血圧についてのまとめ

血圧の正常値は年齢によって変化しません。 正常値とされる正常血圧は20代であっても60代であっても最高血圧120mmHg未満かつ最低血圧80mmHg未満です[1]。

一方、血圧の平均値は年齢と共に上昇する傾向にあり、60代の男性では39.1%、女性では29.9%が高血圧の基準を超えています[2]。 これは加齢によって血管が老化し、しなやかさや弾力を失った状態になる動脈硬化が進行するためです。

動脈硬化とは
血管が本来の弾力性を失い、厚く硬くなった状態です。加齢だけでなく高血圧や高血糖などによっても起こり、脳卒中や心筋梗塞など致命的な生活習慣病の原因となります。

これに伴い、高齢者では最高血圧が高く最低血圧が低い「(孤立性)収縮期高血圧」になりやすいことが知られています。 高血圧になっても直ちに分かりやすい症状は出ませんが、動脈硬化が進行し、心不全や脳卒中、腎臓病などの致命的な生活習慣病の原因となります。

一方の低血圧は深刻な病気につながりにくいものの、目まいや立ちくらみなどによって日常生活に支障が出る場合があります。 血圧を正常に保つためには、バランスの良い食生活を送り、適度に運動を行い、節酒や禁煙を心掛け、十分な休養と睡眠でストレスをため込まないようにしましょう

また家庭で血圧を計る習慣を付け、日々の血圧の変化を知ることも大切です。 血圧が正常値を外れた場合は速やかに医療機関を受診し、医師の指示を仰ぐようにしてくださいね。

[1] 日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」

[2] 厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査」

まとめ

いかがでしたでしょうか。受診の目安を明確にしつつ、正常値が年齢で変わらない事実と、60代に多い収縮期高血圧の特徴を再確認できました。

次のアクション 家庭血圧を継続測定し、高値が続くなら受診 低血圧症状(立ちくらみ等)が出るなら早期相談 生活習慣の4本柱(食事/運動/節酒-禁煙/休養-睡眠)を定着

この連載を通じて、データに基づくセルフケアと医療の適切な活用につなげてください。