高血圧・低血圧で起きる症状とは?動脈硬化リスクと日常の対策法
血圧が基準から外れたとき、体の中では何が起きているのでしょうか。 高血圧は自覚症状に乏しい一方で、じわじわと血管を傷め、将来の重大疾患リスクを高めます。低血圧は命に関わることは少ないものの、日常生活を妨げる不調を引き起こすことがあります。
この文章では「高血圧/低血圧が体に与える影響」について、動脈硬化やメタボとの関連も含めて解説しています。
血圧が正常値から外れている場合の影響
「血圧が正常値から外れてしまうとどんな影響が出るのかな?」 血圧が正常値よりも高い場合には高血圧、低い場合には低血圧の疑いがあります。
高血圧・低血圧が体にどんな影響を及ぼすのかについて詳しく解説します。
1-1. 高血圧の体への影響
高血圧は日本人の生活習慣病による死亡に最も影響する要因の一つであるといわれています[1]。
血管の壁は本来弾力性に富んでいますが、高血圧ではいつも張り詰めた状態に置かれるため次第に厚く硬くなり、「動脈硬化」が進行してしまいます。
動脈硬化が進行すると血管が破裂したり詰まったり狭くなったりしやすくなり、脳出血や脳梗塞、心筋梗塞、狭心症などの重篤な病気を引き起こします。
高血圧自体に自覚症状はあまりありませんが、 甘く見て放置していると命に関わる病気を招いてしまう可能性があるのですね。
また高血圧はメタボリックシンドロームの診断基準の一つでもあります。
内臓脂肪の蓄積や高血圧、高血糖、血中脂質の異常は単独でも動脈硬化を進行させますが、それらが重なるほど、動脈硬化が進行し心臓病や脳卒中を引き起こすリスクは高まるとされています。
また内臓脂肪型肥満は高血圧や高血糖、血中の脂質の異常を引き起こす原因でもあるため、最近腹囲が気になっているという人は要注意です。
「20代だから多少数値が悪くてもまだ平気だよね」
と軽く考えず、将来の健康な生活のためにも血圧が気になる方は早めの改善を心掛けましょう。
低血圧の体への影響
血圧が通常よりも低い場合を低血圧と呼びますが、血圧が低いからといって病的な状態だとは限りません。 高血圧と違い命に関わる病気を引き起こすことが少ないため、病気と見なされないこともあります。
そのため低血圧には高血圧のように厳密な基準はなく、日本では一般的に収縮期血圧が100mmHg未満の場合を低血圧と呼びますが[2]、医師によって意見が分かれる場合もあります。
しかし低血圧はさまざまな症状を引き起こすことがあるので、そのような場合には適切な対応が必要だといえるでしょう。 低血圧に伴う症状は、臓器に送られる血液量が減少することによるものです。
臓器のなかでも脳は体の最も高い位置にあることから、血圧が低下すると十分な量の血液が供給されなくなり、初めに機能不全に陥るといわれています。
これにより目まいやふらつき、頭痛などの症状を生じます。 加えてだるさや疲れやすさ、肩こり、食欲不振などの症状も現れる場合があります。
また心臓の収縮機能をつかさどる心筋への血液供給が十分でない場合、息切れや狭心症といった症状もたまに見られます。 低血圧は若い女性に多い傾向にあり、特に朝に症状が強く出ます。
上記のような症状がある場合は日常生活に支障が出ると考えられるので、医療機関で適切な検査を受け、改善を目指しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。 高血圧は静かに進行し、動脈硬化や脳・心血管イベントの土台になります。一方、低血圧は日常の不調を招きやすく、生活や仕事の質を下げることがあります。
要点は以下です。
高血圧:合併症リスクが高いが自覚に乏しい
低血圧:めまい・倦怠感など機能低下が中心
気になる症状や値が続くなら早めの受診