血圧の正常値や高血圧・低血圧の基準を詳しく解説|改善のヒント
血圧の「正常値」は年齢で変わるのか――多くの人が気になるテーマですが、実は成人であれば20代でも50代でも同じ基準が適用されます。 本記事では、診察室で測る血圧と家庭で測る血圧の違い、正常・正常高値・高値の区分、そして高血圧の国際的な基準を、図表とともに整理しました。
さらに妊娠中の高血圧(妊娠高血圧症候群)にも触れ、若い世代にとっても見逃せないポイントをまとめています。この文章では「血圧の正常値と高血圧の基準」を基礎から短時間で理解できるよう解説しています。
血圧の正常値と高血圧の基準
血圧とは全身に血液を送り出す際に血管にかかる圧力のことです。 通常、「血圧」という際には特に上腕の動脈にかかる圧力のことを指します。
私たち人間の体は心臓がポンプのように収縮・拡張を繰り返すことによって、全身に血液を循環させています。 心臓が収縮して血液を送り出すために動脈にかかる圧力が最高に達した値を「収縮期血圧(最高血圧)」と呼びます。
これに対して血液をため込むために心臓が拡張した際圧力が最低に達した値を「拡張期血圧(最低血圧)」と呼びます。
「20代の血圧の正常値はどれくらいなんだろう?」
このように気になっている方もいらっしゃるかもしれませんが、血圧の正常値は年齢によって変化することはないため、20代でも50代でも同じ値が適用されます。
血圧の正常値と高血圧の基準についてみていきましょう。
| 分類 | 収縮期血圧 | 拡張期血圧 | |
|---|---|---|---|
| 正常血圧 | |||
| 正常高値血圧 | |||
| 高値血圧 | |||
| Ⅰ度高血圧 | |||
| Ⅱ度高血圧 | |||
| Ⅲ度高血圧 | |||
| (孤立性)収縮期高血圧 |
診察室で血圧を計測した場合、血圧の正常値は収縮期血圧が120mmHg未満かつ、拡張期血圧が80mmHg未満です[1]。
家庭で血圧を測定する際は診察室で測った値よりも5mmHg低く、収縮期血圧が115mmHg未満かつ、拡張期血圧が75mmHg未満と設定されています[1]。
表にある正常血圧、正常高値血圧、高値血圧は高血圧には該当しない正常範囲の値で、治療の必要はありません。
しかし、正常範囲であっても高血圧や疾病を引き起こす可能性が全くないというわけではありません。 というのも正常高値血圧は高血圧の一歩手前であり、注意が必要な高血圧予備軍に該当します。
また高値血圧の方は正常血圧の方よりも脳卒中や心筋梗塞のリスクが高いことも判明しています。
一方高血圧の基準は世界共通で収縮期血圧が140mmHg、拡張期血圧が90mmHgです[2]。
家庭で血圧を測る場合は、5mmHg低い値が適用されるため、収縮期血圧が135mmHg以上または拡張期血圧が85mmHg以上で高血圧と診断されます[1]。
高血圧が体に及ぼす影響については後ほど紹介します。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
血圧の正常値は成人で共通し、診察室では120/80mmHg未満、家庭血圧では115/75mmHg未満が目安です。正常・正常高値・高値の境目を把握すると、日々の数値の見方がぐっと明確になります。
要点は以下の通りです。
正常値は年齢で変化しない(成人共通)
家庭血圧は診察室より約5mmHg低く評価
高血圧の基準は140/90(家庭では135/85)
妊娠中は別途リスク管理が重要