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脈圧を正常に保つ生活習慣5選|食事・運動・睡眠・ストレスケア

脈圧を正常に保つためには、日々の生活習慣を整えることが欠かせません。血圧の測定、食事の工夫、適度な運動、飲酒や喫煙のコントロール、質の高い睡眠など、どれも基本的な習慣ですが健康に直結します。この文章では、脈圧を安定させるために実践できる5つの生活習慣改善ポイントを具体的に解説しています。

脈圧を正常に保つためのポイント

「じゃあ、脈圧を正常に保つためにはどうしたら良いの?」と気になった方もいらっしゃることでしょう。

そこでここでは脈圧を正常に保つためのポイントを五つご紹介しましょう。

脈圧を正常に保つためのポイント

ポイント1 家庭でも血圧を測る習慣を付ける

自宅で血圧を測定する高齢女性

正常な血圧を保つためには日頃から血圧の値を把握することが重要です。 脈圧を正常に保つために、家庭でも血圧を測る習慣を付けるようにしましょう。

血圧の値を把握することで、病院を受診した際に治療の役に立つケースもあるでしょう。 そこでまずは、家庭で使用できる血圧計を用意しましょう。

メモ
家庭用の血圧計にはベルトの付いた血圧計を手首に巻いて計測するタイプや、上腕にカフ(腕帯)を巻いて測定するタイプ、血圧計と一体化しているカフに上腕を通し、自動で測定できるタイプのものなどがあります。いずれも正しい方法で使用すれば測定の精度に違いはないといわれています。

血圧を測定する前はトイレを済ませ、数分間安静にしてから測定します

脚は組まずにリラックスした姿勢で椅子に座りましょう。

使用する血圧計のタイプに合わせて、上腕もしくは手首にカフを隙間がないように巻き、測定部位が心臓と同じくらいの高さになるよう調整し、測定してください。

測定は毎日朝と夜、決まった時間に測定すると良いといわれています。毎日継続して測定しましょう。

ポイント2 食事内容を見直す

脈圧を正常に保つためには、食事内容を見直す必要があります。 食事は栄養のバランスを考え、1日3食規則正しく摂りましょう。

また、血圧を上昇させる原因となる食塩を控えることも重要です。 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、食塩の摂取目標量を1日当たり成人男性で7.5g未満、成人女性では6.5g未満に設定しています[1]。

目標量とは
生活習慣病の発症予防を目的として、現在の日本人が当面の目標とすべき量のことです。

また高血圧の予防・改善のためには男女共に1日の食塩摂取量を6g未満とすべきであるといわれています[1]。

塩分を減らすと味気なく感じられるのではと不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、しょうゆやソースなどの調味料はかけるのではなくつけるようにしたり、酢やケチャップなどの塩分の少ない調味料を活用したりすることでも食塩の摂取量を減らすことができますよ。

[1] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

ポイント3 適度な運動を行う

ウォーキングする人

脈圧を正常に保つために、適度な運動を行うことも有効です。

高血圧や動脈硬化を予防し、正常な血圧を保つためには、軽めの有酸素運動を行うのが良いといわれています。

有酸素運動とは
筋肉への負荷が比較的小さい運動のことです。筋肉を動かす際のエネルギーとして血糖や脂質が利用され、それと同時に酸素を消費することからこのように呼ばれています。ウォーキングやジョギング、サイクリング、エアロビクスダンス、水泳、アクアビクスなどが該当します。

有酸素運動には血液中の脂質や体脂肪の減少が期待できるほか、運動自体の効果として心肺機能や血管の機能の改善が期待できるとされています。

高血圧や動脈硬化の予防のためだけでなく、既に高血圧症を発症している場合にも、運動療法としてややきついと感じる程度の有酸素運動を1日当たり30分以上、できれば毎日行うことが推奨されています[2]。

高血圧の予防や改善にはウォーキングや軽いジョギング、自転車、水泳などの種目が推奨されています。

ただし、これまで運動をしてこなかった方が急に運動すると体に大きな負担となってしまうため、日常生活のなかで活動量を増やすことから始めてみましょう

注意!
既に動脈硬化が進行している場合には、運動によって心臓や血管に負担をかける恐れがあります。運動の可否や強度、頻度については主治医に確認してください。

[2] 厚生労働省e-ヘルスネット「高血圧を改善するための運動」

ポイント4 飲酒や喫煙を控える

飲酒や喫煙を控えることも重要です。

たばこには有害物質が多数含まれ、血管にダメージを与えます。 喫煙は血管を収縮させ、血圧を上昇させて動脈硬化を進行させてしまうのです。

しかし、禁煙を開始して20分後には血圧は正常値にまで下がり、2週間から3カ月経過すると心臓や血管の機能が改善すると報告されています[3]。

血圧を正常に保つために、禁煙を心掛けましょう。 また、アルコールは摂取量が増えるにつれ収縮期血圧、拡張期血圧ともに高くなることが分かっています。

しかし、飲酒が原因で血圧が高くなっている場合にも、飲酒量を減らすことで血圧を下げる効果が期待できるといわれています。 なお、アルコールが体に与える影響は、飲んだお酒の量ではなく、純アルコール量によります。

メモ
純アルコール量は、アルコール飲料のラベルに記載されている度数と量から算出できます。計算方法は「酒の量(mL)×度数(%)/100×比重(0.8)」で、500mLで、例えばアルコール度数5度の缶酎ハイの場合には「500×0.05×0.8=20」となり、純アルコール量は20gです[4]。

厚生労働省では、純アルコール換算で20g程度までが「節度ある適度な飲酒」としています[4]。

純アルコール換算で20gに相当するお酒の種類と量は以下のとおりです。

純アルコール20gに相当のお酒の種類と量

現在の飲酒量を確認し、適量を超えている場合には減らすよう心掛けましょう。

また、週に2日程度は休肝日を設けることも重要です[4]。

[3] 厚生労働省e-ヘルスネット「禁煙の効果」

[4] 厚生労働省e-ヘルスネット「飲酒量の単位」

ポイント5 十分な睡眠をとる

十分な睡眠を取ることも重要です。睡眠不足は健康にさまざまな悪影響を及ぼしますが、高血圧もその一つに挙げられます。

これは睡眠不足が「自律神経」を乱れさせるためです。

自律神経とは
体中に張り巡らされている神経のうち、自分の意思とは関係なくはたらき体の機能の調整を行うものです。相反するはたらきをする「交感神経」と「副交感神経」の二つに分けられます。交感神経は体を活発に動かすときにはたらき、副交感神経は体を休めるときにはたらきます。体内の機能は両者がバランスを取ることで調整されています。

自律神経のうち、交感神経は必要に応じて血圧を上げ、一方の副交感神経は血圧を下げるはたらきをします。

しかし睡眠不足などによって自律神経のバランスが乱れると、血圧が高くなってしまうことがあるのです。 血圧を正常に保つためにも、十分な睡眠をとるようにしましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

脈圧を安定させるには日々の生活習慣が大きな鍵を握ります。 特に以下の5つのポイントは実践しやすく、健康維持に効果的です。

・家庭で血圧を測る習慣を持つ

・減塩を意識した食事を心がける

・ウォーキングなどの有酸素運動を取り入れる

・禁煙・節酒を徹底する

・十分で質の高い睡眠を取る

脈圧の異常は動脈硬化のサインにもなります。生活の中でできることから改善し、必要であれば医師のアドバイスを受けながら血圧管理を続けていきましょう。