正確な血圧を測るために!測定前の安静と再現性のポイントを紹介
血圧は日内変動や環境要因の影響を受けやすく、測り方が不適切だと数値が大きくぶれてしまいます。本記事では、測定前の安静や測定姿勢、左右差への対応、朝晩の測定タイミング、記録の重要性まで原文そのまま掲載。この文章では、家庭血圧の精度を上げる方法をお伝えします。
血圧の正しい測り方
「血圧を測ったけれど、毎回全然違う値が出る……。どれが正しい値なんだろう?」 このように疑問に感じる方は多くいらっしゃるでしょう。
血圧は運動や入浴などの日常生活や、緊張などの精神状態によって大きく変動します。 一般的に血圧は朝目が覚めたときから上昇を始め、日中は高い状態が続き、夜間や睡眠中には低くなります。
また、寒さなども影響するため冬の間の血圧は夏場よりも高くなります。 正確な値を把握するためには測定時の条件を一定にし、継続して測定することが大切です。
ポイント1 測定前は1~2分間安静にする
歩いたり活動したりした後はすぐに測定せずに、1~2分間安静にしてから測定しましょう[1]。
血圧は運動などによって一時的に上昇することがあります。そのため、安静にして自然に下がるのを待ってから測る必要があります。
腕に巻く「カフ」と呼ばれる部分と心臓が同じ高さになるような位置で椅子などに腰掛け、体の力を抜いてリラックスします。 過ごしやすいと感じる温度で、静かな環境下で測定しましょう。
[1] 特定非営利活動法人 日本高血圧学会、特定非営利活動法人 日本高血圧協会、認定特定非営利活動法人 ささえあい医療人権センターCOML「一般向け「高血圧治療ガイドライン2019」解説冊子 高血圧の話 」
ポイント2 毎回同じ腕で測定する
原則として利き手側とは反対の腕で測定することが推奨されています。
ただ、人によっては左右の腕で血圧に差があります。その場合は高い値が出た腕で測定するようにしましょう。また、測定時はシャツなどで腕を締め付け過ぎないように注意しましょう。
ポイント3 朝晩毎回同じ時間に測定する
朝は起床してから1時間以内に、食事や薬を飲む前に測定しましょう[2]。
夜は就寝前に測定します 。また、朝晩以外にも仕事中や強いストレスを感じているとき、体調が悪いときも血圧が上昇していないか確認することが望ましいといわれています。
なお、測定前に喫煙したりアルコールやカフェインを摂ったりすることは避けましょう 。
[2] 特定非営利活動法人 日本高血圧学会、特定非営利活動法人 日本高血圧協会、認定特定非営利活動法人 ささえあい医療人権センターCOML「一般向け「高血圧治療ガイドライン2019」解説冊子 高血圧の話 」
ポイント4 記録を付ける
測定したら必ず記録を付けます。できるだけ長期間にわたり継続して測定し、毎日の測定値は全て記録を付けておきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
測定前の安静、同じ腕・同じ時間での測定、そして継続的な記録が再現性を高めます。 要点は次の通りです。
・測る前に1〜2分座位で安静にする ・左右差がある場合は高い方の腕で統一 ・朝は起床1時間以内・就寝前に測る ・測定前には喫煙・アルコール・カフェインを避ける